先延ばしの誘惑に負けてしまう人へ

ついつい課題を先延ばしにしてしまうことってありますよね。たとえば、小・中学生なら夏休みの宿題だったり、高校生なら受験勉強だったり、大学生ならレポートだってり色々あるかなと思います。

今回は、やらなきゃいけないと分かってるのについつい課題を先延ばししてまう誘惑に勝つ方法について書いていきたいと思います。

 

先延ばしを防ぐ方法!

1.とりあえず5分だけ手を動かす

5分ルールよくある先延ばし撃退テクニックで、認知行動療法の世界では定番です。

具体的な方法は、

  • とりあえず5分だけ作業する
  • 5分過ぎたらその作業をやめてよい
  • もし作業をやめられなかったら、続けてもよい

みたいな感じで、5分作業すると結局集中しちゃうということですね。何事もスタートってかなりの意志力を使うので、そこをクリアできれば、あとはスイスイいっちゃうものです。

さらに応用するなら、良いところで作業をやめることによってツァイガルニク効果を利用するのもアリだと思います。

 

2.アイビー・リー・メソッドを使う

これは、前日に明日やるべき事を6つメモし、
その6つに優先順位を付けるという、TO DOリストのことです。
ポイントは、

  • 1つのタスクが終わるまで次のタスクには手を出さないこと
  • 6つの事項を全部できなくても、自分を責めないこと

あらかじめ優先順位を決めてるので、出来なかったタスクがあってもそれより重要なことは終わらせてるからオッケーみたいな感じで、また次の日の6つに入れればいいだけです。

これは個人的にはかなりの効果があったと思います。「これが終わるまで次のことはやらない」と割り切ることで、かなり集中できました。

3.if-thenプランニングを使う

ついつい課題を先延ばししてしまう人にはif-thenプランニング がおすすめだと思います。

このif-thenプランニングとは、

  • 「AをしたくなったらBをする」

というように、あらかじめプランを立てておくテクニックです。

たとえば、

  • A=「英語の勉強は明日やろう」と先延ばししたくなったら、B=「5分だけ英単語を見よう」
  • A=「勉強したくない」と思ったら、B=「一問だけ問題を解こう」

みたいな感じで、誘惑に負けそうになったときの対処法をあらかじめ決めておくことで、先延ばしを防ぎやすくなります。

ここでのポイントは、Bの難易度を簡単に設定しておくと上手くいきやすくするコツです。

 

4.10分間瞑想をする

瞑想には、意志力アップの効果が科学的に証明されています。

2008年の実験では、1日10分の瞑想で

  • 集中力があがり、作業の先延ばしがなくなった

という結果が出て、これは2、3日続けただけでもかなりの効果があったそうです。

瞑想によってマインドフルネスが鍛えられ、「あ、いま気がそれてるな」とすぐに気づき、目の前の作業にすぐもどるという感じです。

 

5.習慣化させる

先延ばししたくなることは、めんどくさいことだったり、キツイことだったりすることがほとんどなので、習慣化させちゃうのが結局最強だと思います。

習慣化=自動運転なので、意志力を使わず取り組めるようになります。

たとえば、食事の後は歯を磨くという習慣がある人は歯を磨くことに意志力を使ってません。ほぼ自動運転で作業しています。

とはいえ、1つのことを習慣化させるにはなかなか難しく、平均で66日間前後かかると言われているので、最初は簡単にできるレベルにしてから習慣からスタートして徐々に難しくしていくと良いでしょう。

  

 

テストで急に頭が真っ白になっちゃう現象

テスト本番になると緊急によるプレッシャーで急に頭の中が真っ白になって、覚えたことが何も出てこないなんて経験はないでしょうか?

実はこの現象はちゃんと科学的に解明されています。

プレッシャーを感じるとワーキングメモリが働かなくなる

ワーキングメモリとは、長期的に記憶する前に一時的に記憶しておく装置だと思ってください。このワーキングメモリは、計算や読み書きの基礎となる重要な働きをしています。

例えば、(72ー16)÷8のような計算を暗算するとき、72ー16=56を一時的に記憶しておき、56÷16=7と計算すると思います。ですが一度この計算が終わるともう記憶しておく必要がないので忘れてしまいます。

このようにワーキングメモリは計算や読み書きをするような一時的に記憶しておくのに必要な役割をしています。

そして、このワーキングメモリは不安や緊急などのプレッシャーを感じてしまうと、上手く働かなくなってしまうことがわかっています。

これが「頭が真っ白現象」の正体です。

 

ワーキングメモリの能力が高い人はテストの点数も高い

2005年にワーキングメモリの高い人と低い人で分けて、プレッシャーをかけたテストとプレッシャーをかけなかったテストを受けさせ、点数にどう影響するのか調べる実験がありました。

ちなみにこのテストは数学のテストで、プレッシャーのないテストでは、点数は明らかにワーキングメモリの高い人たちの圧勝でした。

これは最初から予想されていましたが、プレッシャーをかけたテストの方で驚く結果が出ました。

プレッシャーのかかったテストではワーキングメモリの高い低いは関係なかった!!

プレッシャーがかかったテストではワーキングメモリが高い人も低い人もテストの点数に差はないことがわかりました。

もともとワーキングメモリが高い人でもプレッシャーによってワーキングメモリは上手く働かなくなってしまうのです。

 

不安を感じたら、紙に不安に思ってることを書き出す!!

不安やプレッシャーを感じたら、そのことを紙に書き出すだけで効果は絶大です。

ワーキングメモリが働かなくなっているのは、不安などが頭の中に残ってるからです。紙に書き出して、視覚化するとこで頭から不安を出すことをしてください。

不安を紙に書き出すだけでテストの点数が上がったというのは心理実験でも明らかになっています。

まとめ

  • プレッシャーで頭が真っ白になるのはワーキングメモリがていかしているから
  • 頭が真っ白になったら紙に不安などを書き出す

 

テスト効果で最大2倍の成果を手に入れる

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復習ってどうやってやっていますか?

教科書やノートを読む、問題集を解く、いろいろあると思いますが、テスト本番になって「あれ?これなんだっけ?」「この前復習したはずなのに思い出せない!」なんて経験はないでしょうか?

なぜ、復習をしたのにテスト当日うまく力を発揮できないのでしょうか?

それは、復習は覚える作業だとおもっているからです。実は「復習する=覚える作業」ではなく、「復習する=思い出す作業」なのです。

では、「思い出す作業」とはどういうことでしょうか?

 

「思い出す作業=小テストする」

思い出す作業とは、小テストをするということです。

心理学用語で「テスト効果」というものがあります。

テスト効果とは、本番のテストの前に小テストをしておくと、本番の成績がアップしますよというものです。

では、どのようにテスト効果を復習時に取り入れたらいいのでしょうか?

この答えは、2008年のアメリカの実験で出ています。

実験内容はこんな感じです。

実験参加者の大学生に40個のスワヒリ語を学習してもらい、まずテストをしました。このときの平均点は100点中30点でした。

その後、4グループに分けて再学習と再テストをしてもらいました。グループの分け方は、

  1. 全単語の再学習と再テストをする
  2. 最初のテストで不正解だった単語のみ再学習し、全単語を再テストする
  3. 全単語の再学習をするが、最初のテストで不正解だった単語のみ再テストする
  4. 最初のテストで不正解だった単語のみ再学習と再テストをする

という感じです。

ここでの再テストは、復習時に小テストなどの方法で復習を行ったという意味です。

この後、4グループとも最終テストを受けるのですが、どのグループが一番成果を出したかというのがポイントになってきます。

結果は、点数の高い順に並べると

   グループ1≒グループ2>グループ3>グループ4

という感じになりました。

当然ながら、グループ1は多くの勉強時間を使っているので点数が高くても不思議ではありません。

この実験の驚くべきところは、グループ2はグループ1の7割程度しか勉強時間がなかったのにもかかわらず高い得点を出しているところです。

また、グループ3はグループ2とほぼ勉強時間は同じだったそうですが、テストの得点はグループ2の半分程度だったという結果になりました。

 

復習は小テスト形式で復習する!!

復習は小テスト形式にしましょう。「思い出す」という作業が記憶の定着につながります。そして、小テストで不正解だった問題のみ再学習して、全部の問題を再小テストというのを繰り返しましょう。繰り返し勉強するということはやっぱり重要だったわけです。また、何回小テストすればいいのかというと、5回以降は記憶の定着率が変わらないそうなので5回を目安にしましょう。

 

教科書、参考書を読むだけでは意味がない!!

教科書や参考書を読むだけでは記憶に残らないことがわかっています。それよりも小テストなどで復習するようなテスト効果を使った方法のが成果は最大で2倍も差が出るそうです。

スポーツで例えると、試合で相手に勝ちたいと思ったら、練習試合をたくさんしますよね。試合が本番のテストのことで、練習試合は復習時の小テストのことです。テストでも本番良い成績を残したいならテストの練習試合が必要なわけであります。

ぜひ、復習時にはテスト効果を取り入れた復習法を使ってください!!

 

フラッシュカードはやっぱり凄かった!

フラッシュカードとは、いわゆる暗記カードのとこで、
英単語や歴史の事柄、数学の公式などを覚えるときにカードをペラペラめくりながら暗記していく勉強の仕方です。

実はこのフラッシュカードを使った勉強はやり方によって、効果がまったく違う出方をします。

フラッシュカードを生かすも殺すも使い方次第なわけですね!!

 

フラッシュカードのカードは多ければ多いほどいい!!

フラッシュカードの効果を調べる実験で、実験参加者には難しい単語が書かれている40枚覚えるよう指示しました。この40枚のカードを20枚ずつ分け実験参加者も2つのグループに分けました。

1つ目のグループは

  • 1日に20枚のカードを2回繰り返して勉強し、これを4日間続けた

2つ目グループは

  • 20枚のカードを5枚ずつに分けて、毎日5枚ずつ8回繰り返して勉強し、これを4日間続けた

 

そして、その後どのくらい覚えているかテストをしました。

両グループとも同じ勉強時間になるようにしているため、直感的には20枚のカード5枚ずつに分けて覚える方(2つ目のグループ)が負担が少なく覚えやすいのではないか思います。

ここで、記憶の定着には分散学習が基本でした。分散学習は「しばらく間隔を空けてから復習する」勉強法で、この法則に当てはめると次のような結果になります。

 

一度に一気に覚えた方が圧勝!!

一度に20枚のカードを一気に覚えたグループの方がテストの点数が高かったんですね!

どうしてこのような結果になったかと言うと一度に20枚一気に覚えた方が、1つの単語をもう一度復習するまでの間隔が長くなるからです。

これが分散学習の効果そのものになっているわけであります。

分散学習とは直感的な勉強法と反していることが多いです。

 

まとめ

  • フラッシュカードの枚数は多い方が効果が高い(分散学習の効果)
  • 分散学習は直感に反していることが多いので注意する

てな感じなので、今までの勉強法を科学的に見直すこと改めて重要だなと感嘆しました!!笑

 

わからない問題は集中学習をしましょう!!

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以前、復習には「分散学習」を使い、記憶の定着率の低い「集中学習」はやめましょうという話をしました。

では、集中学習がまったく必要ないかというとそれは全然違います!!

集中学習をした方が良いときもあります。

それは、まだ自分が内容を理解してないときです。内容を理解してないうちは「集中学習」をした方が断然効率が良いです。

 

少しでもわからないと思ったら「集中学習」をする

こんな実験がありました。実験参加者は31人の大学生で、難しい単語を記憶する学習をしてもらいました。

実験の手続きは、

  1. 単語を覚える学習をする
  2. 復習方法を選ぶ(集中学習or分散学習)
  3. 復習する
  4. テストする

という感じです。

ここでのポイントは復習方法を自分の意思で選んだグループと強制的に復習方法を指定されたグループに分けられていたことです。

結果どうなったかというと、

 

自分のわかってないことは自分が1番知っている!!

自分の意思で復習方法を選んだ方が良い点数が取れ、強制的に復習方法を指定されたグループの中でも自分の意思とは反する復習方法だった場合は点数が低いというふうになりました。

 

つまり、少しでもわからないなと思ったらすぐに集中学習して、理解ができたら記憶を定着させるために分散学習をしましょうということでした。

 

まとめ

  • 記憶を定着させたいなら分散学習
  • 理解ができてないなっていうときは集中学習
  • 使い分けの判断は、自分の直感を信じるのが1番

 

過去問題集は20%だけ解けば十分!!

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大学受験にしても資格の試験にしても過去問題集を買って、1冊丸々全て解かないといけないなんて思うかもしれません。実はパレートの法則というものに従うと、過去問題集を全てやりきる必要はなく、1冊のうちのたった20%だけで十分であるというのが今回の話です。

 

パレートの法則とは何か

イタリアの経済学者のヴィルフレド・パレードが80対20の法則というものを提唱しました。

たとえば、

 ・あるお店の売り上げの80%は、20%の顧客によって生み出されている

 ・仕事の成果の80%は、それに費やした20%の仕事の時間によって生み出されている

 ・車の故障の80%は、全部品の中の20%の部品によって生み出されている

などのように、「社会現象の全体の80%は主要な20%によって影響を受ける」法則をパレートの法則と言います。

 

パレートの法則を勉強に生かすと

パレートの法則を勉強に当てはめると、

「過去問題集の重要性の高い項目の上位20%を完璧にすれば、試験で80%の成果が見込みがあるよ」

ということになります。

つまり、過去問題集を徹底的に分析し、重要な20%を見つけることが受験を大きく左右するということです。

逆に、過去問題集の重要でない80%は全体の20%しか貢献してくれないということになります。

ただひたすら勉強してもダメなわけですね!!

 

赤本は志望校が決まったら即買いして分析!!

大学受験でよく赤本を勧められますが、試験直前の年末くらいから始めればいいやっていう人は多いのではないでしょうか?

 

過去問を解く勉強法こそが抜群に効率の良い勉強法になります。

パレートの法則に従って考えると、赤本にはパレートのいう受験勉強にとって重要な20%がぎゅっと詰まっています。

つまり、試験本番の問題の80%は、過去問題集の20%で何とかなるのです。過去の問題試験の傾向と対策を取ることが1番大事ということですね!!

 

 できるだけ合格の可能性を上げたいなら、赤本は志望校が決まり次第即買いして分析し始めましょう。

 

 

勉強するときは視界から赤いものを消そう!!

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アメリカのロチェスター大学のエリオット教授は「赤い服を着てる」人は異性からモテるということを発見したそうです。これを「ロマンチック・レッド効果」といいます。

そんな絶大なメリットもたらしてくれる「赤色」ですが、勉強に関してはそうでもないようです!!

 

勉強するときは視界から赤いものを消そう!!

あらゆる赤のものを視界から消した方がよく勉強効率が良いことがわかっています。

これもエリオット教授の研究ですが、以下のような実験をしました。

  • 学生をあるテストを受けさせた
  • テストの冊子の表紙が赤、緑、グレーの3グループに分けた
結果は
  • 赤い表紙のグループが優位に成績が低かった
なぜ赤いものが良くないかというと、赤色は「闘争心」をかき立てるため、思考力が低下してしまうという心理効果があるからです。
ただ、赤色の心理効果で闘争心は上がるため運動や恋愛などには有効であります。
 

勉強机にはブルー系のものを置こう!!

実は、勉強にベストな色というのも科学的にわかっています。

それは、水色などのブルー系です。ブルー系の色は集中力を高めてくれることがわかっています。さらに、体感時間もゆっくりに感じさせてくれる心理効果もあります。

たとえば、実際には60分勉強したのが45分しか経ってないように感じられ、疲れず勉強が進みます。

この事実を知ってから文房具やパソコンなどはほとんどブルー系に変えてしまいました!!(笑)